「ねぇ、またいつか出会えるって、約束しよ」 「会えるわけねぇだろ。引っ越したら、もう永遠に会えないんだよ」 「…それでもいいの。約束しよっ!」 「それでね。もし、また会えたら、みなもをお嫁さんにしてほしいの」 「わたし、このハーモニカを吹きつづけるね。そして、必ずまこちゃんの耳に届けるから」 父親のいない俺と、母親のいないみなも。似た境遇がふたりをより強く結びつけてはいたのだろう。 だけれど結局、その後みなもと再会することはなかった。子供の頃の他愛も無い約束で終わるはずだった。 こうして十数年ぶりにかつて暮らした風音市に戻ってくることにならなければ、忘れてしまっていただろう。 この街の住人は不思議な力を持っている。 高く飛んだり、そよ風を起こしたりといった、ほんのささやかな「力」だが、 そんな奇跡の街に生まれたことが再び結び合わせたのかもしれない。 あの約束を忘れず待ち続けていたみなもと俺を…。

ささやかながらも超能力が使える街「風音市」を舞台にした学園アドベンチャーゲーム。 システムはオーソドックスな選択肢によるヒロイン分岐型。 家族や恋人との絆がテーマのハートフル系ストーリー。エロは結ばれた結果としてのセックスがあるだけなので薄め。 各ヒロインは後半佳境に入ると、感情をさらけ出し胸の内を告白するが、特にみなもの怒涛の長台詞は当時話題となった。 オープニングおよび後半開始時に流れるムービーは新海誠制作。