プロローグ
大陸の東方に興った騎馬の民の帝国は、その強大な騎馬軍団の力を以って遠征に乗り出し、
新たなる大地をおのが版図に加え、さらなる繁栄を築こうとしていた。
大祖と呼ばれた建国者の孫にあたる将軍バトゥは、精鋭を率いて空前の大西征を計画。
その情報の一端は西方の諸王国に届けられ、先見の明のある者達の間に少なからぬ動揺を与えた……。
そんな諸王国の一つ、マッキンタイア王国でのこと。
隣国マコーレィ王国に内通した大臣の手引により、城門の中まで乗り込まれたマッキンタイアの城は、あえなく落城した。
その混乱の中で王族は残らず捕らえられ殺されていったが、
第三王子の"リチャード・A・マッキンタイア"だけは、親友と数十人の兵達に護られ、脱出に成功した。
しかし、それはすぐに敵王"マコーレィ王"の知るところとなり、裏切者の大臣"マクシミリアン"が追跡部隊の長に任じられた。
大部隊の追跡をかわしつつ、いにしえの11階建ての城にたどり着いた頃には、仲間は6人にまで減っていた。
追い込まれるように中に逃げ込んだリチャード達だったが、侵入してきた追跡部隊に上へ上へと追い上げられ、
ついに最上階近くで追いつかれてしまった。
他の兵士からもうながされ、王子はその場で行われている戦いに心を残しながらも先を急いだ。
上へ、上へと登っていった王子は、最上階の空中庭園で樹の精霊ドライアドに出会った。
彼女の名前は"ベアトリックス"。この空中庭園にあふれかえるほど生い茂った植物達の代表として、彼の前に現れたという。
「あなたは、力を欲している……。」
「この城に封印されている魔物達を解きはなち、あなたのしもべとする呪文を教えてさしあげましょう。」
突然の話に王子は何と答えたらいいのか解らなかった。
「昔、この城は魔法使い同士の大きな争いに巻き込まれ、魔物達の襲撃を受けました。」
「この城には私達だけがとり残され、庭園の土地の中で生き存えてきましたが、もうそれも限界に近く、
これ以上成長することは私達の樹の共倒れを意味します。」
「魔法により生まれたこの城は、前の戦闘の影響により徐々に崩壊し、ただの土くれに還るはずだったのです。
私達はその事態には備えていたのですが、そうはなりませんでした。」
「石像の中に封じることにより倒された魔物達が、
皮肉にもこの城が失ってしまったはずの"生命力"を補充してしまったのです。石像から漏れだすオーラによって!」
「この城には、そのような石像がかなりの数、放置されているのです。」
「魔物達は封じられ、死ぬことすら出来ず長い時を過ごしてきました。
そこから解放してくれる者を主人として、リングによる契約に応じてもよいと想っているのです。
私はその封印を解き、この世に召喚する呪文を知っていますが、それは人族にしか扱うことが出来ない魔法です。」
「あなたは魔物達という戦う力を得る。この城は流れ込んでくる生命力を失い土くれに還る。
私達は大地に帰って広い土地に根を張ることができる。悪い条件ではないでしょう?」
「僕は、こんな城があることすら知らなかった…。」
王子はまだ茫然自失の状態だった。
王子の頭の中では様々なことが渦巻き、やっと一つのことでまとまりを見た。
「早く私に力を。今ならまだカークウッド達を助けることが出来るかもしれない!」
契約を交わすリングをベアトリックスから受け取ると、王子は彼女の指導の下に、魔物を召喚して契約した。
「我を召喚せしは汝か……」
「そうだ。古代よりの盟約によって、リングによる契約を結びたい。」
「代償はない! しかしこの闘いの後、おまえ達を契約より解放することを約束しよう。」
「よかろう」
「では、リングにおまえの真の名を刻むがいい!」
王子は魔物達に命令を下し、カークウッド達の救出に成功した。
「魔物達がいなくなった階から、徐々に建物が崩壊を始めました。二度と後戻りはできません。
私達のためにも、あなたがたのためにも、御武運を御祈りします。」
王子の新しい運命の歯車は、ゆっくりと回り始めた……。
起動方法
オープニングデモを見たい場合は、
ドライブ1にディスク#1(ゲームディスク)、ドライブ2にディスク#2(オープニングディスク)をセットしリセットしてください。
オープニングデモが始まります。
デモを見る必要がない場合はドライブ2にディスク#3(ビジュアルディスク)をセットし起動してください。
このゲームはハードディスクへのインストールには対応していません。
ゲームを開始する前にユーザーディスクの作成が必要です。
ブランクディスクを1枚用意し、「ユーザーディスクを作成する」をクリックしてください。
ブランクディスクをドライブ2にセットし「開始」をクリックするとユーザーディスクが作成されます。
ゲームプレイ
このゲームはステージクリア型のリアルタイムシミュレーションゲームです。
亡国の王子が城の最上階に追い詰められた所から魔物の力を借りることで反撃に転じるというストーリーです。
■勝利・敗北条件
[勝利条件]
フロアーごとにいる敵の軍隊を指揮している者を倒し鍵を手に入れ、リチャード王子が階段の上に重なるとクリアーです。
[敗北条件]
主人公が敵に倒された時。
■リング
主人公は魔物と契約を交わすためのリングを63個持っています。
最大63体までの魔物を下僕にすることができます。すでに63体いるときは新たに召喚できませんので、
必要のなくなった魔物をダストシュートにドロップすることで契約から解放し空きを作ってください。
■死亡
HPが0になったユニットは死亡しその場に死骸が残ります。
アイテムか魔法を使用することで蘇生させることができますが、死んだまま次のフロアーに移動した場合ユニットは消滅します。
蘇生させたい場合は必ずステージクリア前に蘇生させてください。
このゲームはマウスでの操作を前提としていますがキーボードで操作することもできます。
カーソルはカーソルキーで動かします。SHIFTキーが押されているか、CAPSロックされているとカーソルが高速移動します。
スペースキーが左クリック、リターンキーが右クリックに対応します。
部隊ウィンドウ
主人公は召喚した魔物を配下とすることで戦いを進めます。
召喚した魔物で部隊を編成し、各命令は部隊単位で与えます。ひとつの部隊は最大6ユニットで構成されます。
新たな魔物を召喚するには、石像と化している魔物を発見する必要があります。
ゲーム開始直後は5体の魔物が配下にいて、リチャードをリーダーとした第1部隊を構成しています。
このウィンドウは部隊ウィンドウです。ここで部隊の編成を行います。
各ウィンドウはフレーム部分を左クリックでドラッグすることで移動でき、右下を右クリックでドラッグすることでサイズの変更ができます。
インジケーターをドラッグすることでウィンドウ内の表示をスクロールさせることができます。
またはスクロールバーのインジケーター以外の部分をクリックすることでもスクロールします。
をクリックするとウィンドを閉じます。
はウィンドウを一時退避させます。退避させたウィンドウは画面右上に
アイコンで表示されます。
アイコンをクリックするとウィンドウを元に戻せます。ウィンドウの種類によってアイコンは変わります。
多数のウィンドウを最小化した時、アイコンが画面内に表示しきれなくなります。
この場合は、上端下端のアイコンにカーソルを合わせて右クリックすることで表示がスクロールします。
をクリックするとウィンドウを最大化します。
もう一度クリックすると元のサイズに戻ります。
左クリックでドラッグすることでユニットを移動させることができます。右クリックでユニットのデータが表示されます。
ひとつの部隊に編成できるユニットは最大6ユニットです。部隊は最大で16部隊作成することができます。
各部隊のリーダーとなるユニットには
盾のマークが付きます。
リーダーを変更したい場合は盾をドラッグし、リーダーにしたいユニットに移動させてください。
HPが少なくなったユニットは赤く点滅します。
死亡したユニットは髑髏マークが付きます。
部隊に対する指示はリーダーを通して他のユニットに伝わります。
リーダーが死んだ場合は、指示が伝わらなくなり残された魔物は個々に勝手な行動を取ってしまいます。
この場合は直ぐに新しいリーダーを決めてください。
フロアーウィンドウ
フロアーウィンドウはフロアーの全体を把握するためのウィンドウです。また各部隊に移動先を指示するのにも使います。
フロアー内をクリックすると、そこに白点が打たれ、部隊はそこを移動目標とします。
敵、もしくは味方の部隊をクリックすると、その部隊を目標とします。目標の部隊が移動していても追跡して進みます。
移動は魔物のスタミナを消費します。スタミナが尽きると魔物達は戦闘に消極的になります。
ウィンドウ右下の◀ ▶をクリックすることで移動を指示する部隊を切り替えることができます。
中央の数字が現在選択している部隊の番号です。
ユニットの点を右クリックすると、そのユニットのデータが表示されます。
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移動指示先・追跡中の部隊 |
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指示を与えている部隊 |
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自軍 |
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自軍死骸 |
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敵軍 |
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敵軍死骸 |
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石像 |
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扉 |
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壁・障害物 |
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宝箱 |
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空の宝箱 |
フロアーの壁には隠し通路になっている場所があります。
隠し通路があると分かっていてもその先の部屋を移動先として指定すると、部隊が動かないことがあります。
この場合は、一度隠し通路の前まで移動させてから、中へ入るように指示してください。
をクリックするとコンバットウィンドウを新たに開きます。
をクリックすると状態ウィンドウを新たに開きます。
状態ウィンドウ
ユニットのパラメーター確認、
所持アイテムの装備・使用、魔法の使用を行うウィンドウです。
HP |
体力。攻撃を受けると減り0になると死亡します。現在値 / 最大値 |
MP |
魔法を唱えるのに必要な力。魔法を使うと消費します。現在値 / 最大値 |
LV |
キャラクターの成長段階を示します。最大99。 |
AC |
守備力です。数値が低いほど武器によるダメージが少なくなります。 |
STM |
スタミナ。移動すると減少。0になると指示のとおりに動かなくなります。 |
MRL |
士気。数値が高いほど好戦的になります。 |
ATK |
攻撃力。数値が高くなるほど与えるダメージが大きくなります。 |
CON |
生命力。装備できる兜・鎧がこの数値により決まります。 |
MAG |
魔力。数値が高くなるほど強力な魔法を覚えます。 |
INT |
知性。数値が高くなるほど戦闘時の状況判断が的確になります。 |
AGI |
敏捷性。数値が高くなるほど戦闘が有利になります。 |
LUC |
運の強さ。この数値が高いほど武器による攻撃をかわす率が上がります。 |
をクリックすると、アイテム・魔法・ステータスと表示を切り替えることができます。
アイテムを左クリックでドラッグすることでアイテムの受け渡しをできます。右クリックでアイテム名を確認できます。
装備可能なアイテムを持つと自動的に装備され、アイテムアイコンの下にEマークが付きます。
現在の装備より強力な物が手に入り、それが装備可能な場合は、自動的に装備が変更されます。
そのユニットが装備できないアイテムの場合はアイテムアイコンの下にUマークが付きます。
状態ウィンドウを複数開けば、違う部隊ともアイテムの受け渡しが可能ですが、部隊が近くにいる必要があります。
また同じ部隊のユニットでも、はぐれていて近くにいない場合は受け渡しができません。
ポーション等のアイテムは、左クリックでドラッグし使用対象のアイコン上で離せば使用できます。
状態ウィンドウに表示されるユニットアイコンだけでなく、コンバットウィンドウに表示されているユニットアイコンにも使用できます。
この場合も離れている相手には使用できません。
死亡した魔物を復活させる「生命の水」も、使用するには死骸の近くにいる必要があります。
鍵を使用する場合は、
コンバットウィンドウに表示されるドアに鍵をドロップしてください。
魔法の使用もアイテムと同じ操作です。対象と距離があると使用できないのも同じです。
魔法を使えるユニットはレベルアップに伴い強力な魔法を覚えていきます。
魔法はアイテムのように受け渡すことはできませんが、
呪文書はアイテムなので受け渡し可能です。
呪文書は呪文を使えるキャラクターが持つと、使える呪文が増えます。
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ヒーリング |
HPを回復させる。 |
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ウェブ |
一定時間敵を動けなくする。 |
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プロテクション |
一定時間味方の防御力を上げる。 |
プレイヤーが直接呪文を使用できるのはHP回復と蘇生の呪文だけです。
他の呪文はユニットが戦闘中に自分の判断で使用します。
をクリックするとコンバットウィンドウを新たに開きます。
をクリックするとフロアーウィンドウを新たに開きます。
コンバットウィンドウ
各部隊の行動がリアルタイムで表示されるウィンドウです。移動、戦闘の方法についてもここで指示を与えます。
ウィンドウ右下の◀ ▶をクリックすることで表示する部隊を切り替えることができます。
中央の数字が現在表示している部隊の番号です。
この番号の部隊に対してのみ指示は与えられます。同じウィンドウに他の部隊が表示されていてもその部隊には指示できません。
指示はアイコンをクリックすることで切り替えることができます。
をクリックするとフロアーウィンドウを新たに開きます。
をクリックすると状態ウィンドウを新たに開きます。
■行動指示アイコン
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休息 |
その場にとどまることで、HP・MP・スタミナを回復します。 |
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徘徊 |
敵を求めてうろつき回ります。 |
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進軍 |
フロアーウィンドウで指示したポイントに向かい進みます。 |
■戦闘指示アイコン
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追撃 |
敵を求めて歩きまわり、発見後こちらから仕掛けていきます。敵を倒すまでこちらが不利でも戦い続けます。 |
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戦況 |
犠牲が出なくても敵の部隊に押されているときは、逃げるべきか戦うべきか判断し行動します。 |
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待機 |
その場所に留まり様子を見ます。こちらから仕掛けることはありませんが仕掛けられた場合は応戦します。 |
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不戦 |
敵が近づくと逃げ出します。挟み撃ち状態の時などは戦います。 |
■魔法指示アイコン
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攻撃優先 |
攻撃系の魔法を唱えます。どの魔法を使うかはユニットが自分で判断します。 |
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攻撃と回復 |
攻撃魔法と回復魔法を状況に合わせて使い分けます。 |
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回復優先 |
HPが半分くらいになった仲間がいたら回復系の魔法を唱えます。 |
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魔法禁止 |
魔法の使用を禁止します。MPを温存させたいときに使います。 |
方向指示アイコンをクリックすると、その方向に部隊を進ませます。
行動指示が進軍の時はフロアーウィンドウで指定された地点への移動を優先するため指示が利きずらくなります。
魔物によっては普通の行動指示だけでは隠し通路を通り抜けないため、壁の前で方向指示アイコンを使う必要があります。
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ウィンドウのサイズが小さい時、指示アイコンが表示しきれない状態になります。
この状態の時はアイコンが表示されているエリアの端をクリックすることで、このエリアをスクロールさせることができます。 |
■オブジェクト
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石像 |
魔物が封印されている石像。クリックすることで魔物を召喚することができます。 |
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扉 |
状態ウィンドウから鍵をドラッグし、扉の上にドロップすることで開くことができます。
鍵は何種類かあり、扉によって合う鍵が違います。 |
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魔法陣 |
HP・MP・スタミナが回復します。
赤の魔法陣が自軍のもので青は敵軍のものです。回復は赤の魔法陣でのみ行われます。 |
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プロテクションタイル |
この床の上で戦う限り、自軍の防御力が高まります。青のタイルは敵の防御力が高まるタイルです。 |
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サイレンス |
この床の上では自軍も敵軍も魔法が使えません。 |
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スイッチ |
上に乗ることでフロアー内の仕掛けを作動させます。 |
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宝箱 |
接触することで開けることができ、中のアイテムを入手できます。 |
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死骸 |
死んだユニットはその場に死骸となって残ります。右クリックで名前を確認できます。
倒した敵の死骸に乗ると持っていたアイテムを奪えます。同様に敵も味方のアイテムを奪うことがあります。 |
基本コントロールウィンドウ
ゲームの一時停止、セーブ・ロード等を行うウィンドウです。
砂時計はクリックする毎に、ゲーム内時間の停止・進行が切り替わります。
ステージ開始直後はゲームは一時停止状態にあります。
燭台はクリックするごとにゲーム内に流れる時間の速度を三段階で切り替えることができます。
青(遅い)・黄(普通)・赤(速い)。
これはダストシュートです。
ユニットやアイテムをドラッグしここにドロップすることで廃棄することができます。
魔物を捨てた場合は持っていたアイテムも一緒に捨ててしまうので注意してください。
羽ペンをクリックするとゲームの進行状況をユーザーディスクに保存(セーブ)することができます。
本をクリックすると保存したデータから再開することができます。
青い宝玉はクリックすると新しくコンバットウィンドウを開きます。
赤い宝玉は部隊ウィンドウを開きます。
タイリングアイコンをクリックすると、表示されている全てのウィンドウがタイル状に配置されます。
カスケードアイコンをクリックすると、表示されている全てのウィンドウを重ねた状態に表示します。
テーブル部分をクリックすると文字表が呼び出されます。
これを使ってユニットの名前を好きに変更することができます。ただしビジュアルシーンの名前は変わりません。
入力したい文字を左クリックでドラッグしユニットの名前部分にドロップしてください。文字が置き換わります。
敵と接触したりアイテムを手に入れた時等、インフォメーションウィンドウが表示されます。
右クリックでウィンドウを閉じれますが、ウィンドウ右下の砂時計を左クリックすると、
ウィンドウを閉じると同時にゲームを一時停止することができます。