物語
伝説は忘れられた。
長い長い月日が流れ、伝説は忘れられた。
あの隆興であった帝国も
あの恐ろしい悪魔も
あの勇敢に戦ったライヒスリッターも忘れられた。
長い長い永劫とも思える歳月を経て再び国はつくられた。
畑を耕し、街をつくり、再び国はつくられた。
そしていま魔が復活する。人の憎しみ、悲しみを糧に…
それはまだ、人々が自然を恐れ、神秘なるものに畏敬の念を抱いていた頃のこと……。
ここトランティスに、シュトガルドという小さな、しかし若き力に満ちあふれた王国があった。
シュトガルド王国は、まさにいま、新しい時を迎えんとしていた。
来るべき時代の象徴、ジークフリート王の誕生である。
ジークフリートの胸には、不安と、恐れと、
そしてそれらを封ずるに十分な未来への意思が、思い思いに、しかし一つの方向性を持って駆けめぐっていた。
彼は、明日を担うにふさわしき若者に成長していた。
そう、トランティスを統べる偉大なる王への道は、このとき既に作られていたといっても過言ではなかった。
しかし、ジークフリートがまさに冠を戴かんとしたその瞬間、すべての灯が輝きを失い、その声は部屋中に響きわたった。
"ハッハッハ、よく聞け、下賤なる人間どもよ"
"余は復活を果たした。魔王たるフィルフェルム様が、再びこの地に君臨するのだ。ひざまずけ、愚か者どもよ。"
"さすれば死という幸福を与えてやろう。もし刃向かうなら、憎悪と狂気、そして絶望をたっぷりと味あわせてやる。"
"ハァッハァッハ。"
ざわめく宮殿の中で、うろたえる家臣たち。
しかし、ミューレの落ち着いた声は、しっかりとジークフリートの耳に入った。
「ジーク様、このままではらちがあきませぬ。これ以上式典を続けることは無意味でしょう。」
「確かにその通りだ。余はここにシュトガルドの王たることを宣言し、これで戴冠式は幕とする。」
「落ちつけ、我が忠実なる家臣たちよ。余は魔を倒すために全力を尽くす。卿らにも、あらんかぎりの尽力を求む。」
起動方法
初めてゲームを起動するには、ドライブ#1にディスク#Aをセットしリセットしてください。
保存したデータからゲームを再開するには、ドライブ#1にディスク#B、ドライブ#2にディスク#Cをセットしリセットしてください。
起動後、FM音源使用の有無を選択しますが、音源が無い状態で使用を選択すると、不具合を生じる可能性があります。
またハイレゾリューション機能搭載の機種では、ノーマルモードに設定してください。
セーブデータはディスク#Cに保存されるので、書き込み可能な状態にしてください。
ディスク#Cはコピープロテクトが施されていないため、MS-DOSのDISKCOPYコマンドで複製を作ることができます。
ゲームプレイ
このゲームは戦乱に揺れるトランティスの中の一国、シュトガルドの王となり、
復活してしまった魔王を封じるためにも戦乱を治めることを目指すシミュレーションゲームです。
ゲームの操作はマウスかキーボードを使用します。カーソルキーかテンキーでカーソルを動かすことが出来ます。
マウス左クリックかリターンキー、スペースキーで決定、マウス右クリックかESCキーでキャンセルとなります。
ファンクションキーを押すことで、画面上段のコマンドにカーソルが移動します。
■シュトルム城モード
領土数 |
シュトガルド国が制圧している地域の総数 |
兵力 |
領土内の各地域に配置されている兵の数の合計 |
財力 |
保有している金の数 |
将軍 |
シュトガルド国に所属する将軍の数 |
アイテム |
シュトガルド国が所有するアイテムの数 |
徴兵 |
領土内の各地域から徴兵される兵の数の合計 |
金生産 |
領土内の各地域から生産される金の数の合計 |
画面上段の各項目をクリックすることでコマンドを実行します。
ファンクションキーを押すとカーソルがコマンド位置まで移動します。
シュトルム城モードの場合、F1を押せば「助言」に、F5を押せば「物品」にカーソルが移動します。
助言
・側近のミューレに助言を求めます。画面上のミューレをクリックすることでも実行できます。
軍事
・国の軍隊を動かす為の軍事モードへ移ります。画面中央円卓上の地図をクリックすることでも軍事モードに移ります。
探索
・円卓の騎士の一人が兵を連れて探索の旅に出るコマンドです。
将軍を選び、兵数を決定してください。探索によって新たな情報や味方を得ることができます。
将軍
・自国や他国の将軍のステータスを確認できます。国を選択後、将軍名をクリックしてください。
円卓の騎士については、画面上のキャラクターをクリックすることでも確認できます。
物品
・アイテムに対しての操作を行うコマンドです。
アイテムの中には魔法の力を秘めている物もあり、それを将軍に持たせると戦闘中に魔術師でなくても魔法が使えるようになります。
[国の保管庫]は将軍に持たせていないアイテムの一覧、[将軍の持物]は各将軍に持たせているアイテムの一覧です。
将軍名をクリックすることで、その将軍のアイテムを変更することができます。
記録
・「セーブ」を実行することでゲームの進行状況を保存することができます。保存したデータから再開したい場合は「ロード」を選択してください。
このゲームではセーブデータは「歴史の書」と呼ばれます。データはゲームディスク#Cに保存されます。
「終了」を選択することで、ゲームを終えることができます。
更新
・今季の行動を終了し次の季節に進みます。
自国の各領土で徴兵と金の生産が行われ、増えた兵士はシュトルム地域に配置されます。
次に各国で徴兵、生産、兵の配置が行われ、状況によっては進軍が行われます。
軍事行動の進軍は一季節に一度しかできませんが、探索は何度でも行うことができます。
HP |
生命力。これが0になると死亡する。
戦闘で失ったHPは戦闘後に全快する |
STR |
将軍の攻撃力 |
AGI |
将軍の機敏さ。敵と向かい合った際、
この数値の大きい方から攻撃を仕掛けることができる |
DEX |
将軍の防御力 |
INT |
将軍の統率力 |
陣形 |
総司令官になった際に使用できる陣形の種類。
風水火地天の5種類がある |
戦歴 |
戦闘経験値 |
国名 |
将軍が所属する国の名前 |
所在 |
将軍が現在いる地域 |
種類 |
将軍の役割 |
持物 |
将軍が所持しているアイテム名 |
気分 |
将軍の精神状態 |
感情 |
数値が高いほど機嫌が好い |
国交 |
将軍が所属している国とシュトガルドの関係 |
■探索モード
このモードではRPGのようにキャラクターを直接操作し世界を探索します。
キャラクターの前に立ち右クリックするか、リターンキーで会話することができます。
地図
・すでに訪れたことのある場所の場合、地図から直接移動できます。
移動可能な地域は青、移動できない地域は赤で表示されます。
移動するには青い地域をクリックしてから、画面上部メニュー「直行」コマンドを実行します。
帰城
・探索を終了しシュトルム城に戻ります。
■会見モード
探索で他国の首都を訪問し、城の門番に話しかけると、その国の将軍に会見を申し込むことができます。
質問
・他の将軍についてどう思っているかを質問します。
話題
・探索中や会見中に集めた「話題」について聞くことが出来ます。不快な話題を振ると相手の感情を害します。
王との会見では「同盟」を打診することができ、将軍の場合は味方になってくれるよう「勧誘」することができます。
同盟を結ぶことができれば、季節更新時に援助金がもらえます。またその国から攻撃を受けることがなくなります。
譲渡
・アイテムを相手に差し出すコマンドです。相手の気分がよくなるかもしれませんし、受け取ってくれない場合もあります。
終了
・会見をやめ、探索モードに戻ります。
■軍事モード
領 |
その地域の所属 |
総督 |
その地域に総督がいればその将軍名、いなければ不在と表示 |
守備兵 |
その地域に配置されている兵の数 |
地勢 |
その地域の地形を表す。地形によってその地を守る防御に差が出る |
金生産 |
季節更新時にその地域で生産される金の数 |
徴集兵 |
季節更新時にその地域から徴兵される兵の数 |
進軍
・地域を自国領にするめたに兵を進めるコマンドです。進軍は一季節に一度しか実行できません。
まず進軍する地域をクリックして選択してください。
自国領に接している地域の中で、深い森や山によって移動が妨げられていない地域に進軍可能です。
次に総司令官を選びます。
総司令官によって選べる陣形が違いますので、使いたい陣形や司令官の指揮能力を考慮し選んでください。
そして、シュトルム城にいる残りの将軍について、進軍に随行させるか残すかを決めます。
将軍名をクリックすることで、「進軍」と「残留」を切り替えることができます。
最後に、兵数を決定します。兵数の上限はシュトルムにいる守備兵と金の保有数によって算出されます。
進軍には兵1にたいして金1を消費するため、金の保有数以上には兵を出すことはできません。
総督
・現在選択しているシュトガルド領の総督を任命、解任するコマンドです。
総督を置くことによって、その地域の生産力は増し、守りやすくなります。
配置
・現在選択しているシュトガルド領の守備兵数を増減させるコマンドです。
守備兵はシュトルムから派兵されるため、配置するとシュトルムの兵数が減ります。
逆に配置されている兵士を減らすと、シュトルムに戻り、シュトルムの兵数が増えます。
庸兵
・金によって兵を雇うコマンドです。雇われた兵はシュトルムに配置されます。
終了
軍事モードを終了し、シュトルム城モードに戻ります。
■戦闘モード
進軍を行なうか、探索中に戦闘に巻き込まれると戦闘モードに移行します。
まず総司令官の使える陣形の中から、陣形を選択します。
次に各将軍の行動を決定します。
待機 |
その場に留まる |
前進 |
兵と一緒に敵の総司令官を目指して進む |
後退 |
敵の総司令官から遠ざかるように後退し戦場から離脱する
ただし、総司令官が後退し離脱してしまうと全軍退却となる |
魔法 |
魔法の使える将軍は一回の戦闘に一度魔法が使える
魔法の使用後は待機状態となる |
総司令官や将軍の下には生命力を表す数値が表示されます。99以上ある場合でも表示は最大99です。
死ぬ間際になると表示が赤くなります。
敵の将軍はクリックすることでステータスを確認できます。
指示
・将軍の行動を変更します。画面上の将軍を直接クリックすることでも変更可能です。
退却
・全軍を後退させます。総司令官が離脱した時点で戦闘は終了します。
進行
・右クリックで戦闘を開始します。
戦闘中はリアルタイムで進行します。何かキーを押すと一時停止します。
進行中画面上部に表示されるバーは、青が自軍の兵数、赤が敵軍の兵数です。竜との戦闘時は赤が竜の生命力です。
敵軍の司令官が死ぬか戦場から離脱すると自軍の勝利となります。
勝利後、戦場に残った将軍の中から、総督を任命し、生き残った兵はその地域に駐留します。
生き残った将軍は、戦歴が上がります。戦歴を重ねると将軍のステータスが成長します。
自軍の総司令官が死ぬか戦場から離脱すると敗戦となります。
敗北した際、生き残った将軍と兵士は本国に帰ります。
国と将軍
ラーンスア国
トランティス南東部に位置する王国。
山がちな地形だが、良質な鉄を多く産出する為、兵士は十分な装備を持ち、精強である。
しかし、平野が少ないことから食糧不足に悩まされ、常にレーレル、オニックなどの沃土地帯を狙っていた。
かつてはルトラまでを支配したこともあるが、急な勢力拡大とシャクレイとの戦いでの大敗北がたたり、
現在ではレイスアのみをその領土としている。
ガイスター
ラーンスア国王。情に激しく、またふだんつけている鎧から「炎の騎士」と呼ばれ、その豪胆さはトランティスでも一二を争う。
シャクレイとの戦いに大敗したのち、和睦を唱える前王を殺害し、その地位を奪った。
現在は領土をレイアスのみとし、内政を充実させる一方、来るべき西征に備えて軍備を蓄えている。
ファンダー
ラーンスア武将。ガイスターの腹心で、ガイスターと似た鎧をまとうことから「紅の騎士」と呼ばれている。
知勇、剣ともに優れたものを持っているが、ガイスターへの忠義は特に厚く、
ガイスターの王位略奪時に大きな混乱がなかったのも彼の活躍によるものである。
レイスロック
ラーンスア武将。ラーンスアの前王に仕え、騎士道を極めた猛将であり、戦場では「黒騎士」と呼ばれ恐れられていた。
しかしガイスターが即位してからは、何処かに行ってしまったのか消息が絶たれている。
シャクレイ国
昔はアーネハイ、ヴィネスとそのごく周辺を支配する都市連合国家の様を呈していたが、
エルカッツェの働きによりフェアラント、モストーニュをも支配する大王国となった。
もともと肥沃な土地でもあり、政治も安定している為、産業や文化も大変発達している。
アルマダン国とは和平条約を結んでおり、アーネハイ/ホルエズ間では貿易も盛んに行われている。
エルカッツェ
シャクレイ国王。生まれは地方貴族であったが、その働きが認められ、世継ぎの無かった前王から王位を譲られる。
冷静・鋭利といった言葉がふさわしく、まとう鎧が蒼いことから「氷の将軍」と呼ばれている。
国家を統べるものとしての器量、軍を率いる将としての知略、また騎士としての剣技、知勇はトランティスでもたぐい希なるものである。
臣民からの信頼も厚く、賢王の誉れ高い人物である。
チューレイ
シャクレイ武将。エルカッツェやイスクが生まれる前から武人として戦ってきた。
年齢の為、一線級の武将とはいいかねるが、兵の信望は厚く、シャクレイ軍には欠くべからざる将である。
イスク
シャクレイ最大の公爵の娘で、シャクレイ前国王に子がなかったこともあって、
幼い頃から、「ロイヤル・チャイルド」として国民に親しまれてきた。
シャクレイ王家に伝わる「光の女神」なる鎧をまとい、「聖なる乙女」としてシャクレイ王国の象徴といえよう。
また海軍の将としても非凡なるものを持ち、シャクレイ海軍を統率している。
エコーダ
シャクレイ武将。もとは平民であったが、貴族時代のエルカッツェに認められ、後にシャクレイの臣となった。
普段はいい加減で、剣などはろくに使わず、戦場でも鎧が重いとだだをこねる根性無しであるが、
戦略の才、特に敵の心理の裏をかく用兵は芸術的とも言える。知謀にのみ長けた将である。
アルマダン国
いにしえより続く王家に誇りを持ち、伝統と格式を重んじる国である。
他民族を軽んじる傾向があり、アクバルやホルエズに住むアルマダン人とペスプの少数民族とは仲が悪い。
そのためアルマダン島統一がなかなかはたせないでいる。
また、海軍は世界一を誇り、他国へ略奪を目的とした侵攻を行ったこともある。
ガルフェス
アルマダン国王。幼い頃より王としての教育を施され、礼節を重んじる。
書を好み、その多岐にわたる識見は比類無きものである。
さまざまな古代よりの遺物、魔道器などに通じ、己自身もいくつかの魔法を使いこなす。
また、トランティス一を誇るアルマダン海軍の指令官でもあり、輝かしい戦歴をもつ。
ビュッテル
アルマダンの武将であり、国王ガルフェスの弟でもある。
獰猛な性格から「北海のシャチ」の異名を取る。兄と違って城内で学ぶのを好まず、剣技や乗馬、操船などに長じている。
魔法やそれを使うものを毛嫌いしており、ガルフェスとは絶えずいさかいを起こしている。
トアペイロン国
ジプソフィラ、ミリネムといった豊かな地方を従え、
また付近に大きな勢力が無いこともあって、この国は最も平和な国であるといえる。
この国は魔法が盛んで、戦いにおいては魔法を中心とした戦法をとる。
デロドロス
トアペイロン国王。この国は魔法を重んじる国であり、彼自身もいくつかの魔法を使う、自称「大魔法使い」である。
財宝を好み、城の中には金銀宝石といったものが数多く納められているといわれている。
アドリアノン
トアペイロン大神官。デロドロスの懐刀。
デロドロス同様魔法を使いこなすが、高齢のためあまり戦場にたつことはない。
また、情報収集に非常に多くの熱意をそそいでいる。
ミレリス
トアペイロン武将。事実上、攻撃部隊の指令官である。
炎の魔法をこよなく愛し、その為なら味方兵士までも燃やしてしまうという血気盛んな魔法使いである。
アリシア
トアペイロン武将。内政にしろ行軍にしろ、実際に切り盛りしているのは彼女である。
デロドロスにしろアドリアノンにしろ民を治めることには無能に近く、軍事に関してもミレリスは頼りにならないので、
徴税や守備兵の統率といった重要なことは総て彼女が監督しており、余剰分をデロドロスのための財宝購入や攻撃部隊の編成に回している。
彼女の用兵手腕はなかなかのもので、また剣技、魔力なども一流である。
ヴァダール国
武力を重んじる軍事国家であるが、ヴァーダーが即位してからは特にその動きが著しい。
その昔シャクレイと小競り合いを起こしていた時は、さほど好戦的ではなかったが、
最近は領土を拡大しようと軍備をさらに進めているらしい。
気候的には寒い地方である。それゆえに兵士は屈強で、南進する事を悲願としている。
ヴァーダー
ヴァダール国王。エルカッツェとならび王中の王といわれるが、詳しいことはさだかではない。
武を好み、戦においても常に先陣に立つといわれている。
タシュカル
ヴァダール武将。大きな体に関わらず俊敏で、
トライデントを自由自在に使いこなすというヴァダールの海軍提督である。「白鯨将軍」とよばれている。
マルゴール
ヴァダール武将。強力な魔法を使いこなすことからヴァダールに用いられた。
蛇のように陰湿な性格で、「白蛇将軍」と呼ばれ忌み嫌われている。
ティアマット国
常に砂嵐の吹き荒れる砂漠に囲まれた、謎の多い国である。
この砂漠を渡ったものはごくまれで、船でティアマットへ行ったということも聞かない。
噂によれば、いにしえ人の生き残りの国とのことだが、真偽のほどはさだかではない。